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HALL OF GLASS / Faded Landscape

アルバムの曲を1つ1つ紹介したいと思います

Vain

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アルバムの1曲目はVain か Illumination にしようと決めてた。

Bass がリズムを刻み始めるとアルバムの幕開けだ。
効果音が流れる中をBassが進んでいく。
ドラムのフィルインでこのアルバム唯一入っているGuitarがアルペジオを刻み始める。
ここまで長いイントロだったけど、ここからボーカルが入ってくる。
やはりボーカルが入ると曲が生き生きしてくるから不思議だ。
力強く一定のリズムが刻まれる中、少ないコードでパターンごとに転調し、雰囲気までも変えているこの曲が、HALL OF GLASS の目指している完成形の1つである。
2番の後半にやってくるKBソロがこの曲のハイライトである。
そしてボーカルパートを挟み、ラストのチェロをイメージした音のメロディーで曲は静かに終わっていく。
なぜかこの曲はゴシック系を聴く人に評判がいい。

Silent Dream

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結成当時からある曲。スローテンポの幻想的な曲。
ボーカルが一番はまっているのがこの曲ではないだろうか。
歌詞は唯一引用がある。オマル・ハイヤームのルバイヤートという詩集からだ。
快楽主義の人なんだけど、時々、はっとする言葉を使っていて唯者ではない。
最初から最後のKBソロまで明確なメロディーがあるのも特徴の1つである。
最後のソロが長いのは、KBソロのフレーズに合わせてあるからだ。
いつまでも心地よい音に身を委ねていたい、そう思えるように曲をつくってある。
ポチコのよさが最大に発揮されている曲なので、ボーカルを良く聴いてほしい。

今回アルバムを作成する際、一番アレンジを変えたのがこの曲である。
この曲以降、Guitar は入っていない。
夢の中ではこの曲が鳴っていてほしい。

 

Summer Orbit

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このアルバムの中では、わりと激しく始まる曲。
タイトルはSF小説から取っているが詩の内容とは無関係である。
ポチコは声量があるのでこの曲は録音に苦労した。
迫力のあるバージョン、力を抜いたバージョン、色々なバージョンを録った。
最終的にはこのバージョンに落ち着いた。
迫力のあるバージョンはライブで披露したいと思うので、ライブの時はぜひ来てください。
この曲は中間部のソロがプログレっぽいと言われている。
使っているコードが一番多い曲でもある。
終わってみれば激しいのは最初だけでHALL OF GLASS の色が出ている曲に仕上がっている。
何気ないアレンジだが計算されていて、どのパターンも素晴らしい。

Blood Music

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このアルバム中、一番ポップ?な曲
ラ・デュッセルドルフとウルトラボックスを合わせたバンドでトーヤが歌っている感じの曲。
この曲のタイトルもSF小説からとっている。が、やはり内容と歌詞は無関係。
ライブでは一番盛り上がる曲でもある。
ラストのKBソロでバックのBassが効果的にアレンジを変えているが、これは、一時 Bass を手伝ってもらっていた石井のアレンジ。
石井のBassはセンス抜群だった。ありがとう石井。
この曲はNew Wave というより、ジャーマン・ロックに近い。

Assimilation

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アルバム中、一番暗い曲。ポチコはお気に入りの曲。
メロトロンタイプの音が全編にわたってフューチャーされている。
ラストのKBソロが一番の聴き所だろう。
右チャンネルに入っているKB音のアレンジが変わるとラストのパートの始まりだ。
アンプシミュレーターでギター音を作ってKBで弾いている。
右からKBのリフ。中央はソロ。左にはピアノのリフが入っている。
3種の音を聞き分けるとよりソロが生きてくると思う。
ソロはもちろん、全編に渡って美しい裏メロも聴きどころである。

Alan

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曲のタイトルの Alan は Alan Parsons Project の Alan。
一曲、Alan Persons へのアンサーソングを入れたくて作ったのだが Alan Parsons 風にはならなくて、HALL OF GLASS 色満載の曲になってしまった。
メロディーライン重視で作ったこの曲はいい旋律を持っているにもかかわらず他の曲が素晴らしいため、目立たないのである。

ストリングスのきれいな音色も聴きどころだ。

サビでのポチコ1人コーラスが秀逸。いい曲だよ。
もっと注目してくれたら嬉しいです。

ライブでは一番メロトロン風のストリングスの音が生きる曲でもある。

Illumination

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幻想的なシンセのイントロから始まるこの曲はなんといってもソロが聴きどころだろう。
このソロは脱退した Guitar の松本がメロディーを作っている。
この印象的で幻想的なギターソロのメロディーは彼がいかに天才であるか、という事を証明している。
彼ほどセンスのあるギタリストには今までお目にかかった事がない。
ちなみにこのアルバムでは、KBで音をかさねてそれらしく弾いているが、彼のギターにかなう訳もない。
全体的に見ると幻想的で、アンビエント風にもかかわらず、リズムがきいている。
シンプルで幻想的な曲調はアルバムで1番であろう。

Blue Water

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このアルバムの中で1番短い曲がこの Blue Water である。

そして、このアルバムを象徴している曲でもある。

シンプルにして、複雑な響き。リズムの変化。耽美でありながら暗すぎない曲調。音を削りながら作り上げたアレンジ。楽曲の良さ。

どれをとっても素晴らしい出来である。

ソロのない唯一の曲でもある。

アルバムタイトルの Faded Landscape はこの曲のイメージによるところが大きい。

この曲が評価されてこそ、HALL OF GLASS は正当な評価を得る事になるだろう。

ボーカル泣かせの曲でもある。この曲を歌いこなせるシンガーはそういないだろう。

Pollution

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陰ながらハロルド・バッドに捧げされた曲。
3拍子のハロルドという副題がこっそり付けられている。
ふんわりとした曲調で始まるが、かなり毒を持っている曲でもある。
精神的にまいっている事が歌詞から読み取っていただければこの曲を理解した事になるであろう。
歌詞に出てくる「ジャングル」とは、ルソーのへびつかいの女 という絵をイメージしている。

Moonlight Echo 

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出だしのKBによるリフが印象的なこの曲はかなり高度な音楽性を持っている。
裏メロが3つ最大重なっている。
しかし、複雑さはまったく感じない。むしろシンプルに聴こえる。
珍しく明るい曲調のこの曲は前向きな歌詞とともに、希望の歌でもある。
月の光が降りそそぐ中、外の世界へ目を向けていこうとする自分への励ましの歌である。

なぜかライブではあまりやらない曲である。

Winter Light

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このアルバムの中で唯一、脱退したギターの松本の曲。
彼の曲は数えきれないほどあるのだが、この曲を1曲入れてみた。
Moonlight Echo と同じく、希望の歌である。
陽の光を待ちながら、つらかった時期を忘れ去り、暖かい光を思う存分、体に浴びてほしい。
待っていれば、いつか必ずいい事が起こる、そんな曲です。

Clear Night

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最後の曲は、唯一シンフォニックに盛り上がる曲。
ドビッシーの月の光風に曲は始まる。
どことなく日本風のメロディーが楽曲に色を添えている。
淡いシンセの音が全体を包みこみ、サウンドスケィプを形作っている。
中間部の泣きのメロディーを挟んで、後半は力強く盛り上がっていく。
ストリングスの音色の中に、引き込まれそうなボーカルが印象的である。
繰り返して2番のサビはより盛り上がりを見せ、アルバム Faded Landscape は
余韻を残しつつ、幕を閉じるのである。

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